全国の
獣医学部・学科紹介

全国の獣医学部・学科紹介

北海道大学 獣医学部
国立 北海道

北海道大学

獣医学部

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学びのポイント

  • 1

    帯広畜産大学との共同獣医学課程

    牛、馬など産業動物診療に強みを持つ帯広畜産大学畜産学部と共同で教育・実習を実施。

  • 2

    国内屈指の研究力でエキスパートを育成

    附属病院における多数の症例などを基盤に、国内屈指の本格的な獣医学研究に取り組める。

  • 3

    国際通用性を保証する獣医学教育を推進

    欧州獣医学教育機関協会(EAEVE)の認証を取得しているほか海外派遣制度も充実している。

帯広畜産大学との共同獣医学課程を設置
卓越した研究力で国際的な獣医師を育成

北海道大学の起源である札幌農学校における獣医学の専門教育は、1880(明治13)年に始まりました。1907(明治40)年に東北帝国大学農科大学に改称されると、1910(明治43)年に畜産学科獣医学講座が開設され、1952(昭和27)年に現在の獣医学部となりました。2025年で設置75年を迎える歴史ある学部で、すでに2,800名以上の獣医師を輩出しています。

北海道大学獣医学部

北海道大学獣医学部の特色は、日本屈指の研究力です。基礎獣医科学分野、応用獣医科学分野、環境獣医科学分野、臨床獣医科学分野、病原制御学分野、衛生学分野の6分野に計19の教室(研究室)があり、幅広いテーマの研究が行われています。キャンパス内には、190万人都市・札幌の獣医療における中核を担う動物医療センターがあり、小動物診療を中心に多数の症例を研究に役立てることができます。

北海道大学動物医療センター

2012年から帯広畜産大学畜産学部との共同獣医学課程を設置し、北海道というフィールドを活かした先進的な教育を進めています。大都市圏にある北海道大学は小動物臨床、基礎獣医科学、感染症分野などに強みがあり、畜産が盛んな帯広畜産大学は大動物臨床や食品衛生分野に強みがあります。そこで、互いの特色と強みを活かしながら、未来の産業動物獣医師を育成しています。

2019年には共同獣医学課程が、欧州獣医学教育機関協会(EAEVE)の完全認証を取得したことも大きな強みです。さらに、アメリカ、イギリス、タイ、ザンビアの大学と連携した海外派遣プログラムを実施し、国際的に活躍できる獣医師の養成にも力を入れています。

北海道大学獣医学部の卒業生のうち、産業動物の臨床獣医師になるのは毎年12%程度。国家・地方公務員の獣医師と合わせると約3割の卒業生が、産業動物にかかわる仕事をしている計算になります。これに対し、小動物(伴侶動物)の臨床獣医師になる卒業生の割合は24%程度。全国的に見ると低い数字になります。日本の食料基地・北海道の大学だけに、畜産を支える意識が高い学生が多く学んでいる傾向が見受けられます。また、大学院に進学して、研究を続ける学生が多いのも特色といえるでしょう。

先生の声

微生物学教室

獣医学部 学部長 迫田義博 教授
迫田 義博 教授
獣医学部 学部長

鳥インフルエンザ、豚熱などの
感染症から動物とヒトを守る

ヒトと動物の感染症を予防、制圧するため、国内外の機関と連携して、研究を推進しています。具体的には、病原微生物の起源と進化過程の研究、病原性の分子基盤の解明、感染症の予防・制圧法の開発などを行っています。例えば、目に見えないウイルスを可視化し、観察する技術などを開発しています。

基盤になっているのは、これまで進めてきたインフルエンザの研究成果です。すなわち、ヒトと動物のインフルエンザウイルス遺伝子はすべて、そのルーツが鴨の腸内ウイルスにあること、さらに家禽、家畜とヒトの新型ウイルス誕生のメカニズムを当研究室で解明、実証しました。現在、WOAH(世界動物保健機関)およびWHO(世界保健機関)の動物インフルエンザレファレンスラボとして、ヒトと動物のインフルエンザを克服するための国際共同作戦を先導しています。

牛、豚、鶏などの産業動物は、個ではなく群(集団)で管理し、疾病が出ないように予防する医療がますます求められています。高病原性鳥インフルエンザ、豚熱など現代の感染症に合わせた対策を獣医師が率先して、考える必要があります。当研究室も高病原性鳥インフルエンザや豚熱のワクチン開発などで、畜産を守る医療に貢献しています。

産業動物獣医師の仕事においては、生産者とのコミュニケーションも重要な要素となります。言葉を話さない家畜と生産者をつなぐ通訳の役割を獣医師が担うこともあります。生産者にとって、牛や豚などの家畜は経済活動における大切な商品でもあります。家畜の健康を守る獣医師は、ビジネスを支えるパートナーでもあるのです。繁殖が難しくなった乳牛が重い病気を患った場合、「廃用牛」と判断するのも獣医師の仕事です。その際は、これ以上苦しめないために、厳しい条件のもと安楽死の処置をすることになります。単純に動物の命を守るだけでなく、食の安全を守るために、時には厳しい判断をする覚悟をもって、産業動物獣医師を目指してほしいと思います。

学生の声

繁殖学研究室

獣医学部6年小林 茉利奈さん
小林 茉利奈 さん
獣医学部
6年
私立敬愛学園高等学校出身(千葉県)

ワラビーの「着床遅延現象」を解明し、
産業動物の繁殖に応用したい!

幼い頃から動物が好きで、獣医師を目指すようになりました。小学生の頃に飼っていたオカメインコや猫が動物病院に通っていた際に、獣医師の先生が、動物たちの命と真摯に向き合う姿を見て、「かっこいい」と思ったのです。北海道大学を選んだ理由は、高校2年次にオープンキャンパスを訪れ、キャンパス全体の雰囲気に魅力を感じたからです。都市と自然が融合した独特な雰囲気は、他のどの大学にもないと思います。

学部時代の印象に残っている授業は、帯広畜産大学との共同プログラムで行われる「産業動物実習」です。3週間かけて、牛や馬を対象とした産業動物獣医師の往診に同行し、診察や治療を実際に体験します。一方、北海道大学の動物医療センターでは、犬猫の高度な症例を多く扱っており、5年次の「参加型臨床実習(ポリクリ)」では、さまざまな手術を見学する機会を得ることができました。

現在は、「繁殖学教室」に所属し、「ワラビーの着床遅延現象」に関する研究を行っています。ワラビーはオーストラリアに生息する小型の有袋類で、カンガルーに似た動物です。着床遅延とは、受精卵が子宮内で数か月間休眠状態を維持して、着床の機会を待つ特殊な繁殖戦略のこと。この現象を遺伝子発現の観点から研究しています。着床遅延のメカニズムを解明できれば、牛や豚などの産業動物の繁殖効率向上に応用できる可能性があると考えています。

もともと私は、野生動物や希少種の保全に興味があり、繁殖学に興味を持ちました。その後、大学での学びを通じて、人間の食生活が産業動物の命に支えられていることを実感し、産業動物獣医療を支える獣医師になりたいと考えるようになりました。また、農業共済組合(NOSAI)での実習で経験した往診スタイルの仕事が自分に合っていると感じたことも決め手になりましたね。

卒業後は、沖縄県のNOSAIで産業動物獣医師として働くことが決まっています。将来的には、疾病予防を通じて、動物福祉の向上と生産効率の改善に貢献したいと考えています。農家さんとしっかり信頼関係を築き、いつでも相談しやすい獣医師になるのが目標です。

INFORMATION

北海道大学 獣医学部

住所│北海道札幌市北区北18条西9丁目(獣医学部)
TEL│011-706-5175(獣医学部)
アクセス│地下鉄南北線「北18条駅」より徒歩約15分
入学定員│40名(獣医学部)
獣医師国家試験合格率│95.1%(第76回/2024年度)
主な就職先│国家公務員(農林水産省、厚生労働省)、地方公務員(家畜保健衛生所)、農業共済組合(NOSAI)、個人診療施設、一般企業、研究機関、大学院進学(海外含む)ほか

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