全国の
獣医学部・学科紹介
全国の獣医学部・学科紹介
岐阜大学
応用生物科学部 共同獣医学科MOVIE
学びのポイント
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1
学部附属農場をキャンパスに併設
応用生物科学部附属岐阜フィールド科学教育研究センターで乳牛、鶏などの飼育や防疫を学べる。
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2
鳥取大学農学部との共同獣医学科を設置
岐阜大学と鳥取大学で共同獣医学科を設置。互いの強みを活かした実習を行っている。
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3
学生30名に対し教員36名で指導
定員30名に対し、36名の教員が手厚く指導。学生一人あたりの教員数が多いのも特色。
1学年30名に対し36名の教員が指導
キャンパス併設の農場で実習もできる
中部エリアの畜産を支える獣医学教育拠点として知られる岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科。鳥取大学農学部との共同獣医学科を設置し、同じカリキュラムを提供しているのが特色です。例えば、狂犬病に関する実習は岐阜大学で、鳥インフルエンザに関する実習は鳥取大学で……という具合に、互いの強みを活かした授業を展開しています。近隣の滋賀県栗東にあるJRAトレーニングセンターで、競走馬の臨床実習に参加できる点も岐阜大学の強みといえるでしょう。また、野生動物に関する研究が盛んで、「生態保全管理学」などの演習科目があることも有名です。
学生数が1学年30名程度であるのに対し、教員が大学院・高等研究院の専任教員を含めて36名おり、学生一人あたりの教員数が多いのが特徴です。そのため、個別指導方式で獣医学倫理、レポートの書き方、プレゼンテーションの方法などについてきめ細かな指導を行っています。研究や調査に関する指導も手厚く、2024年度は卒業生32名中7名が大学院に進学しており、研究志向の学生が多いことも特徴です。
キャンパスに併設された応用生物科学部附属岐阜フィールド科学教育研究センター柳戸農場では、乳牛を飼育しており、毎日搾乳を行っています。同じ農場には、鶏舎もあり、産業動物がすぐそばにいる環境で学べる点も魅力です。また、岐阜県美濃加茂市にある美濃加茂農場では、肉牛となる黒毛和種を飼育しています。
産業動物獣医師になる卒業生は、30名のうち1〜2名で、全体のうち毎年5%程度です。大学全体の理念は、「学び、究め、貢献する岐阜大学」。豊かな自然に恵まれ、東西の交点として歴史・文化において重要な地である岐阜において、社会を牽引し、未来を創造できる獣医師を育成していくことが、岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科の使命です。
獣医臨床繁殖学研究室
牛の受精卵移植技術に関する
幅広い研究を行っています!
担当する「獣医臨床繁殖学研究室」では、繁殖学、特に牛の受精卵移植技術について研究しています。これは、優秀な牛や価値の高い牛の受精卵を他の牛に移植することで、代理母出産により子牛を得ることができる技術です。現在は、体外受精による「体外胚生産」が世界的に広く用いられています。日本においては、黒毛和種の受精卵をホルスタイン種などの乳牛に移植して、子牛を生産(代理母出産)する取り組みが積極的に進められており、酪農家の重要な収入源になっています。しかし、その割合は未だに限定的で、乳牛由来の和牛子牛の割合は、11%程度に留まっています。私はこれを100%に近づけたいと考えています。
乳牛による和牛生産が低い比率に留まっている原因のひとつは、農場で採取した卵子を培養する拠点が少ないことです。そこで、私たちは国内の限られた培養拠点に、遠隔地から卵子の品質を低下させず輸送する方法の開発を目指し研究しています。
また、出生時の牛の卵巣内には10万個ほどの小さな卵子があるのですが、その多くは排卵されることなく発育の途中で失われてしまいます。そこで、牛の卵巣内に含まれる未熟な卵子を体外胚生産に使用できる状態まで育てる「体外発育培養」という技術の改良にも取り組んでいます。将来的には、牛で確立した繁殖の技術をヒトの医療や希少野生動物の保全にも活かしていきたいと考えています。
酪農・畜産業を支える産業動物獣医師の担い手は極めて少ないのが現状です。この傾向は海外でも共通していると聞きます。生産農家も減少傾向にあり、大規模化・集約化が進んでいくでしょう。こうした課題を克服するためにも繁殖に関する研究によって、牛の生産効率を高めていきたいと考えています。また、繁殖に関する教育・研究を通して、畜産業を支える獣医師になる卒業生の割合を増やしていきたいとも考えています。
近年はOneHealthの理念の普及により、産業動物獣医師に求められる役割はますます広がっています。口蹄疫、豚熱、鳥インフルエンザなどの感染症防疫、抗生物質使用の適正化、動物福祉への対応など、従来以上に社会的使命を担う必要があります。このように獣医学は皆さんの多くがイメージするであろう「動物のお医者さん」の枠を超えた、動物、環境、そしてヒト医療にもかかわる非常に多様性のある学問です。幅広い授業や実習を通じて、皆さんが一生をかけるに値するテーマに出会える6年間にできるよう、岐阜大学でお待ちしております!
獣医病理学研究室
6年
三重県立伊勢高等学校出身
大動物の治療から防疫、繁殖管理まで、臨床医として幅広い獣医療に取り組みたい!
高校時代に岐阜大学のオープンキャンパスを訪れ、共同獣医学科の説明を受けた際に産業動物獣医師のことを知りました。それは、畜産分野の公務員獣医師の話で、この分野の獣医師が不足しているという話が記憶に残りました。その後、岐阜大学に入学し、三重県や愛知県の家畜保健衛生所や北海道の農業共済組合(NOSAI)での実習を経験するうちに、本格的に産業動物獣医師になりたいと考えるようになりました。
印象に残っているのは、北海道NOSAIの実習で遭遇した牛の緊急帝王切開手術です。母牛の体内で、子牛が死んでしまい、胎仔(子牛)が風船のように膨らんでしまう「気腫胎」という病気で、農場で臨機応変に手術をする獣医師さんの姿はかっこよかったですね。
別の三重県の実習では、牛の直腸検査も繰り返し経験することができました。肛門から直腸に腕を入れ、子宮や卵巣だけでなく、第一胃や腎臓などの臓器の触診にも挑戦しました。発情期・妊娠期など牛の状態による子宮の変化を実際に触診しながら学ぶことができました。妊娠時に大きくふくらんだ子宮が、出産後には大きく平たい袋状となっている感覚に最初驚いたのをよく覚えています。
卒業後は、大動物専門の病院で臨床獣医師として働く予定です。そのために獣医師国家試験には必ず合格しないといけません。産業動物獣医師の仕事は、家畜たちが持つ潜在能力を最大限に引き出し、生産者の経営スタイルに寄り添いサポートすることで、結果として生産者の利益向上、そして、日本の食料供給に貢献することができるやりがいのある仕事です。まずは、臨床獣医師として、さまざまな症例を経験しながら、治療だけでなく、防疫や繁殖管理まで、幅広い獣医療に取り組んでいきたいと考えています。
INFORMATION
岐阜大学 応用生物科学部 共同獣医学科
住所│岐阜県岐阜市柳戸1-1
TEL│058-293-2834(総務部)
アクセス│JR・名鉄「岐阜」駅よりバスで約30分「岐阜大学」下車すぐ
入学定員│30名(応用生物科学部 共同獣医学科)
獣医師国家試験合格率│93.8%(第76回/2024年度)
主な就職先│小動物臨床(動物病院)、産業動物臨床(農業共済組合など)、地方公務員(地方独立行政法人を含む)、国家公務員(独立行政法人を含む)、展示動物(動物園、水族館)、民間企業等(製薬・医療機器、食品、飼料)ほか