全国の
獣医学部・学科紹介
全国の獣医学部・学科紹介
山口大学
共同獣医学部 共同獣医学科MOVIE
学びのポイント
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1
鹿児島大学と共同獣医学部を設置
鹿児島大学と共同獣医学部を設置し、より専門性の高い授業が受講できる。
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2
EAEVE認証を得て世界レベルの教育水準に
2019年にEAEVE認証を取得。教育水準や施設など高い基準をクリアしている。
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3
1年次からポニーやヤギと触れ合える
徒歩圏内に農場があり、入学後の5月からポニーやヤギなどの産業動物と触れ合える。
鹿児島大学との共同獣医学部を設置
欧州の教育水準・EAEVE認証も取得
2012年度に日本で初めて設置された共同獣医学部は、鹿児島大学と同一のカリキュラムにより遠隔講義システムを用いて対面式と遜色のない授業が受けられるのが特色です。2大学の強みを生かした専門的な授業によって、産業動物および伴侶動物(犬や猫など)の医療に必要な知識を深く学ぶことができます。2019年には、EAEVE(欧州獣医学教育機関協会/European Association of Establishments for Veterinary Education)認証を鹿児島大学とともにアジアで初めて取得。国際基準をクリアしたカリキュラムや設備で、レベルの高い授業や実習を受けることが可能です。
山口大学共同獣医学部は、「高度な伴侶動物獣医療」と「感染症研究」が大きな2本柱です。 伴侶動物獣医療では、動物医療センターを中心に中四国や九州からやってくる病気を持った動物に高度な獣医療を行っています。また、60人規模でウイルスや細菌などの実習ができる獣医学国際教育研究センター(iCOVER)があり、高度感染症研究について学ぶこともできます。
大学での6年間の課程を修了し、獣医師国家試験に合格し、獣医師名簿に登録されると晴れて獣医師になることができます。犬や猫などの伴侶動物を治療する臨床獣医師はもちろん、牛・馬・豚・鶏などの家畜を治療する産業動物獣医師、製薬会社などの企業、公衆衛生業務に関わる公務員と幅広い職種で多くの卒業生が活躍しています。
共同獣医学部共同獣医学科の定員は30名で、そのうちの3〜6名が、毎年産業動物獣医師として社会に羽ばたいています。動物の治療や妊娠率の向上に加え、農家に寄り添って経営面からもアドバイスできる産業動物獣医師を育成するため、外部の農場や関係各施設と連携をとりながら、学生が現場に足を運ぶ機会を持つようにしています。
獣医繁殖学研究室
牛が快適で幸せに過ごせることが
農家の経営安定につながり、みんなハッピーに
山口大学は2019年に取得したEAEVE認証で、ヨーロッパと同じ水準の畜産学の教育が受けられる大学と認められました。その基準を満たすため、とにかく「学生を現場に連れて行く」ことを重視しています。例えば、徒歩すぐの学内農場で1年生からポニーやヤギを世話し、早くから動物に触れる機会を設けています。そして、3年生からは牛の実習が開始します。また、農業経営の担い手を養成する農業大学校や養鶏組合、養豚場など、外部のさまざまな機関と連携し、実際の現場へ学生を最大限連れて行くようにしています。最初は「犬や猫の獣医師に」と思っていた学生もさまざまな現場を体験することで、「産業動物獣医師って面白い!」と進路を変更するケースも増えています。
獣医繁殖学研究室は、3代前の教授から牛の受精卵の研究を続けている“老舗”です。私の研究目標は、生産性の高い牛をたくさんつくることです。ホルモン処置を行った雌牛の子宮内から受精卵を取り出す技術では、良好な時にはすべて妊娠可能な生きた受精卵が得られます。一方、未成熟な卵子を体外で成熟・受精させる体外受精卵だと妊娠可能な受精卵を得られる成功率は50~60%。ただ、後者は作業効率がよく、コストも下げられ、牛への負担も少ない。そこで、体外受精の成功率を上げられるよう、日々研究に取り組んでいます。
畜産業界でもIT化が進んでおり、これからはオンライン診療の技術を身につけたりする必要もあります。牛の首にウェアラブル端末を付け、その動きから食べたり、寝たり、発情したりする行動パターンを数値化して把握している農場もあります。今はどちらがよいかではなく、得られた知見を農場で幅広く応用できたら、と考えています。
産業動物獣医師のやりがいは、牛の病気を治したり、妊娠させたりするだけではありません。困っている農場に入って牛を診断するとともに問題を分析し、個々の農家にあった戦略を提案することも大切です。牧場がきれいだと牛の飼育状態がよくなり、経営状況も向上し、牛も人もハッピーになります。経営を見据えながら農家とディスカッションできる、そんな産業動物獣医師になってほしい、と思っています。
獣医繁殖学研究室
6年
産業動物獣医師は幅広く活躍できる可能性を秘めた職業です!
牛の繁殖医学に特化した谷口雅康准教授の研究室で、主に牛や豚の受精卵について研究しています。地域の農家での繁殖検診や採卵にも同行し、採卵の過程や手技を間近で学ぶと共に、「農家さんにとって一番何が大切なのか」を肌身で感じ学んでいます。
獣医師になりたいと思ったきかっけは、生態システムや病態生理に興味があると共に、日本のブランド牛のルーツである「但馬牛」が名産の地域に住んでいたり、幼少期に牛舎が近くにあったりして、牛に馴染みがあったからです。産業動物獣医師は最初、病気を治療するイメージだったのですが、大学に入り、ホルモン動態や栄養学など繁殖分野の研究の奥深さにのめり込みました。さらには実際、先生の診療現場に同行して直腸検査を行ったり、エコーで牛の卵巣周期を見たり、採卵したりするほか、農家さんと生産性や経営について話すことで、より広い世界が感じられ、どんどん面白くなっていきました。
印象に残っている体験が、インドネシア・台湾・ケニアでの各2週間ほどの海外研修です。インドネシアでは牛の生産性を改善するJICA(国際協力機構)の事業に従事する、谷口先生の活動に同行しました。牛は各家庭に1~2頭と少ないことが多く、“経済動物”というよりお金が貯まったら貯蓄の代わりに飼う“財産”でした。日本とはまったく違う価値観に触れられる貴重な体験となりました。
将来は牛の診療技術を身につけ、牛の繁殖に関する問題や健康管理に苦労している生産者さんの一助になりたいと思っています。十分な根拠に基づいた診療を行い、「他に手はないか」と自分で考えて工夫することを怠らない産業動物獣医師になりたいです。いずれは、地元で但馬牛の改良に携わったり、谷口先生のように海外で畜産の問題を解決する活動をしたりしてみたいです。
産業動物獣医師とは、私が高校生のときに想像していたものより、幅広く活躍できる可能性を秘めた職業です。夢をひとつに絞ってそれを目指すのもいいですが、ぜひ大学時代にさまざまな経験をして、自分の進路を見つけてほしいです。
INFORMATION
山口大学 共同獣医学部 共同獣医学科
住所│山口県山口市吉田1677-1(吉田キャンパス)
TEL│083-933-5808(共同獣医学部 学務係)
アクセス│JR「新山口」駅から防長バス(平川経由)で約30分、「山口大学前」バス停より徒歩約3分/JR「湯田温泉」駅から徒歩約25分
入学定員│30名(共同獣医学部 共同獣医学科)
獣医師国家試験合格率│93.8%(第76回/2024年度)
主な就職先│独立行政法人国際協力機構(JICA)、石川県、三重県、山口県、福岡県、北海道農業共済組合、兵庫県農業共済組合、鴨川シーワールド、福山市立動物園ほか