全国の
獣医学部・学科紹介
全国の獣医学部・学科紹介
帯広畜産大学
畜産学部 共同獣医学課程MOVIE
学びのポイント
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1
日本の食料基地・十勝で実践的に学ぶ
大学で飼育している牛や馬に触れる実習の機会が多く、周囲の農場などのキャンパス外でも実践的な学びができる。
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2
欧州の国際認証を取得した教育
北海道大学との共同獣医学課程として欧州の国際認証(EAEVE)を取得しており、グローバルに活躍する道が開かれている。
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3
大動物専用の診療施設がある
「産業動物臨床棟」では大動物を手術できる手術台や牛や馬に利用できるCT・MRIも完備されている。
日本屈指の食料基地・十勝で学べる
国際レベルの実践的な専門教育
帯広畜産大学畜産学部共同獣医学課程は、北海道大学獣医学部との「共同獣医学課程」を設置しているのが大きな特長です。2大学が持つ優れた教育資源を結集した同課程のカリキュラムは、2019年にEAEVE(欧州獣医学教育機関協会/European Association of Establishments for Veterinary Education)の完全認証を取得し、実施する獣医学教育がヨーロッパの基準を満たしていると認められました。
これにより、同課程を修了して一定の基準を満たした学生は、ヨーロッパで獣医師資格を持つことも可能になります。日本の畜産物を海外に輸出する仕事に携わる場合は「国際レベルの教育を受けた獣医師が検査している」という安全・安心の証明にもなるため、日本の畜産業界を背負って立つ人材として活躍できます。
帯広畜産大学共同獣医学課程の特色は、実践的な学びの機会が充実していることです。広大なキャンパスでは、牛を127頭、馬を37頭(2025年12月1日現在)飼育しており、産業動物獣医療の実習を積極的に行っています。サークル活動を通じて大動物に触れる機会も豊富です。食料自給率1200%を超える「食料基地」の十勝では酪農家の搾乳アルバイトなどを通じて、現場を間近に見ることもできます。
畜産学部共同獣医学課程の定員は40名で、卒業生は大動物獣医師のほか、家畜防疫員・食肉衛生検査員、伴侶動物獣医師、ワクチン等の医薬品製造業など、さまざまな職種で活躍しています。帯広畜産大学が掲げる『「食を支え、くらしを守る。」人材の育成を通じて地域および国際社会に貢献する』というスローガンのもと、日本の食の一端を担う酪農業・畜産業で活躍する獣医師を多く輩出しています。
グローバルアグロメディシン
研究センター
研究センター(兼)
獣医学研究部門
臨床獣医学分野
産業動物獣医療学系
産業動物獣医師という生き方を
選択肢のひとつとして持ってほしい
ヒトの不妊治療では体外授精や受精卵移植の技術が使われていますが、日本の馬の生産において、そうした技術が使われることはほとんどありませんでした。しかし、家畜を安定的に供給するためには、病気の治療と同時に「繁殖」の研究や技術を通じて数を増やすことが重要です。
犬や牛などの哺乳動物はそれぞれ発情日数や妊娠期間が異なりますが、中でも馬は他の動物には見られない繁殖生理機構を持っています。繁殖学全体の進歩および世界的な発見にもつながることから、同分野においては馬を対象とした研究が多くを占めています。
産業動物獣医師は、病気やケガの治療だけでなく、予防医療、公衆衛生、農場経営のコンサルティングなど、幅広い役割が求められます。海外では獣医師がコンサルタントとして農場経営に関わることは当たり前になっています。「ワンヘルス・ワンワールド」の考え方のもと、人の健康管理や環境保全にもかかわることができるのが産業動物獣医師のやりがいだと考えています。
私も前職のJRA(日本中央競馬会)の競走馬総合研究所や日高育成牧場で馬の生産に携わった経験から、現在は馬を対象とした繁殖学の研究を行っています。特に注力しているのは、馬との触れ合いを通じて心身の健康増進を図る「ホースセラピー」に適した馬の繁殖です。ホースセラピーには穏やかな馬が適していますが、私が帯広畜産大学に赴任した当時はそうした馬がほとんどいない状況でした。そこで獣医師の技術を用いて、乗りやすい馬を生産することで地域に貢献したいと考えたのです。
帯広畜産大学がある北海道・十勝は、自然豊かなフィールドです。そうした環境にある牧場に赴き、清々しい気候の中で動物に接することができる産業動物獣医師の仕事は非常に魅力的だと感じています。犬や猫の獣医師と比べると担い手が少ない課題もありますが、労働環境も少しずつ整備され、以前よりも働きやすくなってきました。
産業動物の健康・安全を守る産業動物獣医師は、日本の食料問題解決の一端を担う重要な役割の一つです。動物に接することが好きで、かつ「国策」という社会的なニーズに応える仕事に携わりたい方にはぜひ産業動物獣医師という生き方を選択肢のひとつとして持ってほしいと考えています。
毒性学研究室
共同獣医学課程
4年
兵庫県西宮市立
西宮高等学校出身
伝染病のメカニズム解明を通じて
牛の健康を守りたい
学部4年次から「毒性学研究室」に所属しています。各動物の解毒の代謝機能を研究することで、病気のメカニズムを明らかにし、予防や薬の開発に貢献できればという想いから、この研究室を選びました。
獣医師は幼少期からの憧れの職業でした。鹿児島で暮らす祖父が黒毛和牛の肥育、親戚が繁殖を行う牧場を経営していて、小さい頃はよくお手伝いをしていました。私が牛舎にいるときに、産業動物獣医師が車で颯爽と現れ、診察して帰っていく様子が印象に残っています。農家さんにとっては大切な牛たちにさまざまな手を尽くしてもどうしようもないときの最後の砦であり、少なくとも当時幼かった私にはスーパーヒーローのように見えていました。
私は兵庫県出身で、「親元を離れて、遠くで暮らしたい」という理由で、帯広畜産大学を選びました。獣医学部で学ぶ内容はどの大学でも同じだと聞いていましたが、他大学の友人の話を聞く限り、帯広畜産大学は実習の機会が特に多いようです。4年次から始まった直腸検査では、雌牛の肛門から腕を入れて直腸越しに卵巣や子宮に触れ、排卵のタイミングを推し量ります。ただ、1度や2度では判断がつかないため、実習をたくさん経験できることは魅力的だと感じています。
入学当初は各農場を訪問して診療する牛の産業動物獣医師になりたいと思っていましたが、食肉の安全を守るために病気や残留薬物の有無などを調べる「食肉衛生検査所」をはじめとした施設を訪れたことで、視野が広がりました。最近は、牛の伝染病が発生したときに病気の鑑定を行う保健所の職員や病気のメカニズムを解明する研究職に興味を惹かれています。病気になった個体に直接アプローチする産業動物獣医師も魅力的ですが、病気そのものを詳しく理解することで、牛の健康に貢献する道もあると知ったためです。
獣医師とひと口に言っても、活躍の仕方は本当にさまざまです。獣医師資格ひとつでこんなにも可能性があるのかと、授業や実習のたびに夢が広がります。自分の興味関心に合致する職場や働き方に出会うためにも、大学在学中は、学問はもちろん、獣医学に直接的な関係がない事柄にも積極的にチャレンジしてほしいと思っています。
INFORMATION
帯広畜産大学 畜産学部 共同獣医学課程
住所│北海道帯広市稲田町西2線11
TEL│0155-49-5321(入試課入学試験係)
アクセス│JR「帯広」駅より「大空団地線」バスで約30分、「緑陽高校前」下車徒歩約15分
入学定員│40名(畜産学部共同寿医学課程)
獣医師国家試験合格率│94.6%(第76回/2024年度)
主な就職先│厚生労働省、農林水産省、農業共済組合(NOSAI)、日本中央競馬会(JRA)、大動物専門獣医師、伴侶動物中心の獣医師、家畜防疫員・食肉衛生検査員、ワクチン等の医薬品製造業、JICAやNGO等の職員、大学院進学ほか